偶然の出会いから生まれる温かいコミュニケーション。普段なら気にも止めない出来事が、強烈に記憶に残る体験。
変わらない毎日の中で鈍くなった私たちの感覚をひらき、心を静かに揺さぶる旅の背景には、キーアイテムとなるモノの存在があるようです。
焦って、ニンマリして、不安になって、驚いて、泣きそうになって。
旅の中で、人は心が動く瞬間を、どんなモノと一緒に積み重ねてきたのでしょうか。
今回は「旅の準備物」をテーマに、旅慣れした3名の方へ、モノを起点とした、記憶に残る旅の体験談をお聞きします。
話し手は、旅ライター&ブロガーのayanさん、B級スポットバックパッカー兼古着バイヤーの逆縞さん 、ガジェットを駆使して旅を楽しむ!ライターのあやこさんです。


ディープ&カルトなデザインの衣料品をほぼDxIxYxで制作。
多数のバンド関連のデザイン、マーチャンダイズ製作などを手がける。
完全防水に救われた!香港チョンキンマンション

TAL:便座の上にシャワー!?これは何ですか?
逆縞:香港にあるチョンキンマンションの一室です。
TAL:一応ホテルという認識でよいのでしょうか。
逆縞:はい。チョンキンマンションっていうのが、一応香港で一番治安が悪いって言われる雑居ビルの中なんですね。そこのホテルに泊まった時に、3畳分くらいにベットがポンって置かれてるだけの部屋で、なんていうんでしょうね、牢獄みたいな場所に泊まりまして。
いろいろ強烈だったんですけど、まずトイレとシャワーが一緒なんですよ。あの、こういう(ジェスチャー)便座があるじゃないですか、便座の上にシャワーがあるんですよ。
一同:!!!
TAL:「3畳の中に、全てが詰まっている」ということでしょうか?
逆縞:はい、全て詰まっています。本当に、なんか、あの、牢獄です。笑
あやこ:トイレの間に壁とかないんですか?
逆縞:一応申し訳程度に仕切りはあるんですが、やっぱり、どうしても漏れてくる…さーって水が流れていくんですよね。
貧乏底辺旅のバックパッカーで行く時は、ピラルクっていうバッグを絶対持っていくんですね。完全防水で、ざっくり何でも入るっていう大きいバックパックなんですけど。

初導入は香港なんですが、最初の写真からもわかるように狭すぎてかなり浸水するんですよ。普通に濡れるので、「あ、これ持ってきてよかったー」って思いました。笑
TAL:はじめ刑務所の独居房かと思ってしまいました。
逆縞:ベットが縦に置いてあるから、ベットに行くまでにこうやって(壁に沿ってカニ歩きして)行かないと入れない笑。しかもベットがあるだけで、布団もなけりゃ枕もないんですよね。なので、バックパックが荷物入れ兼枕になるんです、3日間くらい。
TAL:カバンが枕に。
逆縞:そうなんです、こいつ枕にもなるんやって。笑
一同:笑笑笑
逆縞:バックパッカーで行くのは趣味の写真を撮るのと、副業でやっている古着屋の仕入れも兼ねているので、基本的にカバンが服がパンパンになるんですよね。仕入れた服が(バックパックの中に)詰まると柔らかくなって、いい感じのクッションになるんです。ちょっとした低反発枕みたいな。
TAL:バイヤーさん的には、商品が枕になる状態っていうのはアリなんでしょうか?
逆縞:どっちにしろ古着で、一度洗いには出すので(大丈夫です)。
TAL:社会にその情報が出るのは問題ありませんか?
逆縞:大丈夫です、ちゃんと真空パックに入れてるので。バックパックの中に真空パックを重ねる感じですね。古着は古着で洗いに出しますし、そこは大丈夫です。
TAL:ただ、バイヤーさんの枕には一回なっているという。
逆縞:はい、なってます。笑
あと、これの何がいいっていうと、色がかなり派手なんですよ。派手なので、まず空港で自分の荷物だって見分けられるのと、あとなんとなく取られにくい気がするんですよね。
例えば黄色いのをレストランの椅子に置いてて、取られたとしても黄色いのが移動するからすぐわかるっていう。あ、自分のだって。笑
逆縞的【バックパック選びのポイント】 スコールの多い東南アジアの旅に「完全防水」は必須 ・風呂トイレ一体型の宿では、室内でも非常に役立つ 自分の荷物の目印に!バックパックは派手な色を選ぶ ・目立ちやすさを逆手にとって荷物の受け取り間違いを予防、防犯対策としても! |
防水チャックは防犯チャック?

あやこ:完全防水と防犯は、本当にだいじですよね!!私は旅行する時は基本カメラ持っていくんですけど、スマホやガジェットがないと生きていけないので、防水機能は必須です。この人たちを守るのが最優先なので!
防水のチャックってすごいハードで、重いんですよ、開けること自体が。あれが開けられたら絶対わかるだろうっていうくらい重くて。防犯対策にもなるというか、結構なんでも後ろに入れてますけど、取られたことはないです。
TAL:防水チャックの意外な使い道ですね!みなさん結構ハッとされるところが多いのではないでしょうか。
あやこ:そうですね。私はいつも日本ではお財布を後ろの開ける小さいポケットに入れてますけど、それが危ないなと感じたことはまだありません。本当にチャックがちょっと重いんです。
これと、そういう用途のカバンって女性ものはほとんどないんですね。私が欲しくなる機能を備えたカバンで、リュックで、女性も持ちやすいみたいなのがなくて。だいたい男性ものの中から選ぶっていう感じになるんですよ。
それで何かいいのないかなって時に見つけたのがブロスキー&サプライっていう、ちょっと使い込みすぎて変えましたけど、当時ほんとに出たばっかりのブランドでした。2018年かな?もうちょっと前だった気がします。これは本当にいい革を使っていて、日本の新しく生まれたブランドで、革も防水なんです。


TAL:ウォータープルーフレザーと書いてあります。
あやこ:そうなんです。ガジェットの線を出すための穴とかもあって、中にバッテリーとかを入れて、線を出して充電しながら歩くこととかもできるんです。適度にクッションが入っていて、中にパソコンを入れる場所もあって、PCケースを別に持ち歩く必要もなくて。
マチも結構あるので、カメラも入るんですよ。結構大きいカメラも普通にぽんって入るので、持ち歩きはこれがすごい良かったです。胸にガチャっと止める(チェストストラップ)機能もあるので、重たいのを入れても歩きやすい。でも女性らしいラウンドタイプがなくなってしまって、今はイッチっていう別のリュックに買い換えました。
TAL:また雰囲気がガラッと変わりますね。
あやこ:そうなんです、少しきれい目の服でも問題なく背負っていられて気に入っています。これも日本の新しいメーカーみたいなんですけど、革が某ハイブランドの仕入れ先と一緒と店員さんから聞いて、確かに強いし、美しい。
TAL:普通にエ◯◯スかと思いました。これ今日も背負ってらっしゃいましたね。
あやこ:そうそう、エ◯◯スじゃないですよ笑。エ◯◯スだったら、たぶん40万とかします!
一同:笑笑笑笑
あやこ:これは3万円台、ブロスキーはもっとリーズナブルです。2万円台かな?
逆縞:え、これカッコいいですね、欲しい!
異国で感じる、日本のものづくり精神


あやこ:これ日本の人が作ってるっていうのがまた好きで。こういうのを作っている日本の素敵な職人さん、ちょっと顔は知らないけど、たぶん若い人なんだろうなーって、勝手に想像してニンマリして笑。で、愛用してます。
TAL:海外にいると、旅先で日本製であること、顔も知らない作り手さんのことや、自分の国の文化に対する気持ちを外国で改めて認識することに、意味があるような気がします。
あやこ:そうですね。「これ日本製なの」って、喋るネタにもなりますし。
TAL:メイドインジャパンの話もできますし、個人としても、異国にいるからこそ気づく日本製の良さとか、何か特別な感情も感じられるのかな、と。
あやこ:そうなんですよ。だからネタにもなるし、荷物も入るし、すごい好きです。
あやこ的【リュック選びのポイント】 大切なガジェット類を絶対に守り抜く!完全防水は必須 ・カメラ、スマホ、ITを駆使して旅するなら、デザインも重要だけど、まず「防水」 話のネタにも、心の栄養にもなる「メイドインジャパン」 ・異国で感じる、日本のものづくり精神。若い職人さんを想像すると元気も出る ・旅先で自国の文化を紹介するアイテムとしても! |
スリは妊婦?マドリードでの体験談

ayan:私は旅ライターとして国内外を旅して回ってるんですけど、海外の防犯面でいうと、手持ちカバンのファスナーってだいたい2つあるじゃないですか。治安が心配な時はとにかく自分の脇側に(ファスナーの)合わせ目がくるようにして、気を付けてます。
TAL:旅慣れた者の知恵ですね。
ayan:でも一回これでもやられたんですよ。マドリードで歩いてる時に、お腹に詰め物した妊婦のフリした人が、ドンって当たってきて、ここをサッと開けてシュッとポーチを出して。
全然気づかなかった…無防備にしてたつもりもないんですけど、ただその時は、現地に住んでる日本人の通訳さんがグループに一人ついてきてくださって、私その人と喋りながら歩いてる時のことだったのでその方がすぐ気づいて、「ちょっとあんた!!」みたいな感じですれ違った女の人に詰め寄って、そしたらそのスリの女の人が「返せばいいんでしょ、フン!!」みたいな感じで私のポーチを地面に投げつけて。
一同:うわーーー!!
ayan:私はそのポーチが地面に転がってるのを見て、初めて何が起こったかわかったみたいな感じで。
開けられたことも、抜かれたことも気づかず。なので、自分の方に(ファスナーの合わせ目を)向けていても万全ではないですけど、そういうこともあるというか。一度スリから守ってくれた、というか、未遂で済んだことがあります。
街に溶け込みながら身を守る、旅の防犯テクニック


逆縞:僕はバックパックは派手で目立つ色を選びますが、身に付けるものは逆に、暗い色を選ぶんですよ。旅行の時はいつもアウトドアブランドのを使うんですけど、特に僕はなぜかノースフェイスばっかり使う癖がありまして、なんなんでしょう、黒が一番映えるからなんですよね。ピタッと密着するタイプって。
基本的に僕は全身黒い服装なので、特に夜に出歩く時に、あれが荷物だってバレないように。あと本当に危ない時はTシャツの下に着たりするので、これが素材的にかぶれないのとか、防水性もあるので臭くならないことも重要です。
一同:(うんうん)
逆縞:それでいて結構収納力がよくて、パスポートから飲み物とか地図とか全部ここに入るサイズって決めたら、これくらいがちょうどいいんですよね。
TAL:「夜、荷物だと黒だとわからない」というのは、昆虫の保護色的な意図があるのでしょうか?
逆縞:荷物を持って歩いてるだけで、「あいつは旅行者だ」ってバレるのが嫌なので、かといってカメラとかは持っておきたいので、カメラぶら下げてる方が危ないので、それだったら全部しまっとくんです。
TAL:防水機能は同じでも、バックパックの色が派手だから逆に取られたらすぐわかるっていうのと、ボディバッグの色を荷物だとわからないように黒を選ぶっていう保護色的な考え方との対比が面白いですね。
逆縞:よかったです。大きい荷物と小さい荷物で、そういう使い分けはしますね。
ayan&逆縞的【防犯ワンポイントアドバイス】 自分の身は、自分で守る。ファスナーの合わせ目は、自分の脇側に! ・治安が心配な時は、自分の前にカバンを持ってくるように持つ ・スリが外からカバンを開けやすい脇の外側にファスナーの合わせ目を向けない 夜の闇に紛れるために、小さなボディバッグは服と同じ黒を選ぶ ・より自然体で、ローカルな街並みに同化するための、ひと工夫 |
「地球の歩き方」が呼び起こす、旅の強烈な記憶

TAL:手持ちカバンの話が出ましたが、必ず一緒に持って行く「旅のマストアイテム」はありますか?
逆縞:僕は「地球の歩き方」ですね。
あやこ:私も持って行きます。
逆縞:わりかし、何かとアナログに頼りがちですね。なぜか海外でデジタル使いたくないっていう謎の制約をするんです。笑
ayan:(逆縞さんは)Web系のお仕事もされているから、仕事から離れたいんですかね??
逆縞:それもあるかもしれないのと、自分の中で道に迷ったりするのも旅だと思っていて、わざと迷ったりもするし、何ならバスとかもよくわからないまま乗ったりするので。
「たぶんこれだろう」みたいな、自分の直感だけで行ったらどうなるんだろう?みたいな。だいたい後悔するんですけどね。
一人旅だから、別に後悔しても自分一人じゃないですか。だからできる。これが取材とか、友達とかと行ったら絶対ガチギレされるんで、ちゃんとするんですけど。一人でノープランだから、まあ好きにできる。
TAL:すごくわかります。いい思い出ですよね、最初はびっくりしますけど。
逆縞:迷った時の思い出の方が強烈なんですよね。
迷ったらもう人に聞くしかないから、地球の歩き方で「ココ!ココ!」って地図見せて「今どこ?」って。「どこに行きたいの?」って聞かれて「ここ(に行きたい)」って言ったら「何してんねん」って言われたりとか笑。
現地の人に車で乗っけてもらったりだとか、バス停まで送ってくれたりとか、そういうのが結構楽しかったりしますね。まあ、ご迷惑はかけてるんですけどね。
逆縞的【「地球の歩き方」の良いところ】 海外ではアナログ派!制約の中で、旅のプロセスを最大限に味わえる ・現地語+日本語のダブル表記で安心 ・もし言葉が通じなくても「地球の歩き方」を見せたら伝わる ・現地でのリスクヘッジとしても有効(旅先の治安や犯罪傾向を把握できる) |
言葉の壁を「旅の記録」に変える、紙とペン

ayan:偶然の出会いとか、そこから生まれる会話が楽しいですよね。
逆縞:そうですそうです、やっぱりそっちの方がね、日本に帰った時にしゃべる楽しさとかネタになるんですよ。
現地で言葉が通じない人には紙とペンを渡して「書いて」って言ったら住所を書いてもらえるんですよね。で、それをタクシーの運転手に渡したら連れてってくれるので、「地球の歩き方」と一緒に紙とペンも必ず持っていきますね。
ayan:私も同じ使い方します。あと発音ができないチェコ語みたいなアルファベットにニョロンとかチョンとかついててどうやって読んだらいいかわからないから、「Hradec Královéに行きたい」って言っても聞き取ってもらえないから、紙に書いて「ココ!!」みたいな感じで。
あとローカルなバスに乗って、降りる駅名の発音がよくわからない時に、その紙をこうやって(周囲の人に見えるように)バスの中で持って座ってたら、乗客が「ちょんちょん、あんたココだよ!!」って教えてくれるみたいな感じで。笑
逆縞:発想が電波少年ですね。笑 それはすごい。
一同:笑笑笑笑笑
ayan:あと取材中に固有名詞を聞いてもスペルがわからないと後で記事にする時に困るので、「ここに書いて」って、現地の人に書いといてもらうと、帰ってから検索するなり何なりでその情報に当たれるんです。英語じゃなくて、自分の発音できない言語の場合は書いてもらうといいかもしれない。
TAL:確かに、スペル問題はありますね。聞こえていても、書こうとするとスペルがわからないと書けませんし、地名や固有名詞だと調べることも難しくなりますね。
逆縞:バスの話めちゃめちゃ面白かったな。笑
ayan的【紙とペンの活用法】 言葉が通じなくても、現地の人とのコミュニケーションを楽しむ手段として ・道に迷ったら、行きたい場所の住所などを書いて、そのまま相手に見せる ・現地で書いてもらったメモは、そのまま旅の思い出に あの言葉、どういう意味だっけ?帰国後の情報収集に ・発音できない言語圏を旅する場合、スペルを書いて残しておくと、帰国後の調べ物に役立つことも(特に地名や固有名詞) |
IT派は「カンタン、通じる、迷わない」GoogleMap

TAL:逆にIT派のあやこさんはどうですか?
あやこ:今(の話)と同じことをITでもできて。GoogleMapを開いて「ここに行きたい!」って見せたりとか、入力して見せるって方法で対処できます。IT派に見せかけて実はアナログなので、いつでも紙とペンは持ってるっていう。笑
逆縞:笑笑笑、めちゃおもろいっすね。
あやこ:小さいノートとペンを持ってて、ペンはいつもカバンの中に複数本入っています。いつ切れても対応できるように。両方必要です。
GoogleMapの経路を教えてくれる機能が、ものすごくって。例えばベネチアで「どこそこのポイントに行きたい」って入力するじゃないですか。それで「経路」ってやると、ベネチアの移動手段って基本水上バスなんですけど、その水上バスが、何番のところから何時に出ますよってことまで教えてくれる。

一同:へーーー!すごーい!使えば良かった。
あやこ:もう間違えようがないですね。経路はこうですって出て、水上バスは何時でってバスの乗り場まで歩く経路はこうですって行ったら、もうバス乗り場、水上バスがあって、時間になったら教えてくれます。目的のポイントまで行って、またそこから先も入力したら教えてくれる。
ayan:ベネチアの迷路のような街の中でも全然迷わないんですか?ちゃんと?
あやこ:ほぼ迷わないです。
一同:すっごーい!!
ayan:イタリア人に案内してもらったけど、彼もめっちゃ迷ってたから。笑笑
TAL:経路検索は、カーナビ感覚で使えますね。

あやこ的【GoogleMapの良いところ】 ITのチカラで、見知らぬ土地でも不安ゼロ ・道に迷ったら、GoogleMapに行き先を入力して「経路」を検索 ・ポイントまでの行き方、電車などの乗り場、発車時刻まで教えてくれる |
焦る!石畳で、スーツケースの車輪がもげた!

ayan:あとイタリアの道の話で言うと、ヨーロッパって石畳の道が多いじゃないですか。それで取材中にスーツケースのホイールが大破したことがあって。

一同:!!
ayan:ホイールが本体の角っこに4隅についてるじゃないですか、これがメリッと取れちゃったんですよ。車輪が壊れたんじゃなくて、車輪が付着してる部分がメリッと取れて4つのうち1個がダメになり、自立しなくなったんです。笑
取手のところを持ち上げたら取手ももげそうになって、それが旅真っ最中だったので本っ当に大変で。
自由旅行なら現地で買えばいいや!なんですけど、取材中だったので、スケジュールが結構タイト。「この時間のこの電車に乗らないと、次の街に行けない!」みたいな。これ逃すと3時間ないよ?みたいな状況で、駅まで走ってる時にもげたんですよね。笑
TAL:最悪ですね、、
ayan:引けないから、持ち上げるんですけど持ち上げたら今度は取手がもげそうで(心臓)バクバクしながら行って。
結局どうしたかっていうと、その到着する予定の観光局の方が一応待っててくださるっていうのがわかったので、会うなり「すみません、アロンアルファみたいなやつが欲しいんですけど!!」って店連れてってもらって、駅の隅っこでアロンアルファみたいなのでベチっと止めて、ガムテープでグルグル巻きにして、めちゃかっこ悪いんですけど、なんとか旅を存続させたっていうことがありました。笑
で、今は、このクラッシュバゲージを使ってます。

逆縞:スーツケースの側面も石畳でやられたんですか?笑
ayan:これ最初から「デコボコにダメージを受けた」デザインなんです。旅ブログのレビュー用にモニターでいただいたんですけど、イタリアのベネチアで作られてる、元々ボコボコがあるスーツケースなんですね。
新しいスーツケースが旅に持っていって傷ついちゃうのが悲しくならないように、最初からボコボコしとこうっていうコンセプトらしいんですけど、これを初めて下ろした日に、空港のカウンターに持って行ったら、航空会社の落ち度で(スーツケースを)傷つけちゃうとお金を払わなきゃいけないってのがあるじゃないですか。だから「最初からこれは傷ついていました」っていうサインをしろって言われたんです。
一同:笑笑笑
ayan:今日の朝、初めて下ろしたんですけど??って言ったけど、でも一応書いてくださいって言われて。でもまあ目立つので、空港のターンテーブルでもすぐ見つけられるし、いいなって思ってます。
前に壊れて大変な思いをしたホイールも、クラッシュバゲージは石畳が多いイタリアで作られているのもあってヨーロッパを旅しても問題なく使えて、気に入ってますね。
あやこ:私もayanさんと同じ感じでエストニアの石畳で壊れて。ベネチアで買い換えたRIMOWAを今は使ってます。


帰りは荷物がいっぱいになるから軽いバックにこだわって、104Lの軽い日本で買ったスーツケースを持って行ったんですけど、車輪が脆弱だったのか、石畳でボッコボッコやってるうちに押すのも大変、引くのも大変、104Lだから(大きくて)超大変みたいな。で壊れちゃったんですね、途中で。
TAL:あやこさんは、どうされたんですか?
あやこ:ヨーロッパの、スウェーデン、エストニア、スイス、イタリアと回って帰るっていう旅行で、なんとか動くには動くんで最後までひきづってたんですけど、もうダメだーってなって最後のベネチアで買い換えました。
その時にやっぱり女性は持ち運びやすいコロの可動性?っていうか、滑らかに動いてヨーロッパも問題なくいけるRIMOWAって、人気はそういうことだったんだなって。ちょっとだけ高いけど、十分、というか最強で、使いやすいという意味では素晴らしいと思います。
ayan&あやこ的【スーツケース選びのポイント】 安心して気持ちよく旅を続けるために、チェックしたい3機能 ・「4つの可動式ホイール (360度回転/ダブルキャスター) 」「立てたままラクに押せる」「ハンドルの高さ調節機能」は必須 ・価格重視で選ぶとボディ材質が薄く強度に不安が残ることも <おまけ>安い掛け捨ての携行品損害補償のついた海外旅行保険に入る ・スーツケースが(ヨーロッパの石畳などで)旅中に壊れた場合、お金が戻ってくる ※加入前に補償内容を必ずご自身で確認してください |
空港で荷重オーバー!追加料金ナシにした工夫とは

逆縞:スーツケースを現地調達した点ではあやこさんと同じですが、僕はちょっと違う意味で。
TAL:どういうことでしょうか?
逆縞:いつも僕は一番安い航空券で行くので、荷物だけ別料金だったりするんですよ。なので、こっち(日本)から小さいのを持って行って、現地で古着の仕入れをして買いまくった結果、郵送とかで高くなるくらいだったら、3,000円とかでスーツケースを向こう(現地)で一個買っちゃって、そっちに詰め替えて古いのを捨てたりとか。
逆にいうと何も持って行かずに現地に行ってスーツケース買って、それに仕入れたものを詰めて持って帰ったりするんですよ。
TAL:できるだけ旅の費用を抑える、ということですね。
逆縞:そうです。仕入れは服がほとんどですが、これが結構かさばって数も多いのでどうしても重くなります。
台湾に仕入れで行って、スーツケースいっぱいに入れた状態で帰りの飛行機に乗ろうとしたら荷重オーバーで追加料金を払えと言われて。どうしても追加料金を払いたくなかったので、スーツケースの中から重そうな服を選んで、それを自分で着て飛行機に乗ることで重量を減らしてなんとかしたこともあります。
一同:強い!笑
逆縞的【スーツケース選びのポイント】 着眼点は「最小限のコストで、いかに多く持ち帰れるか?」 ・国際便で無料預かり可能な最大サイズ(3辺合計158cm)を現地調達 ・スーツケースは使い捨ての消耗品!基本、入れば何でもOK |
現地の体験が、映画のように自分の中に残っていく。準備のひと工夫で、旅はもっと肉厚に。
TAL:みなさん本当に濃い経験をされていますが、旅の準備物について、自分なりの基準やこだわりはありますか?


ayan:現地でお世話になった時に、ちょこっと手渡せるように日本のお菓子を持って行きますね。コミュニケーションのきっかけになったり、子どもに喜ばれたりするので。ただイスラム圏はHALALのため注意が必要です。一度失敗しちゃって。
逆縞:僕の基準は荷物の総量ですね。行きはできるだけ少なく、帰りはできるだけ多くの荷物を持って帰られるように。持っていくものよりも持ち帰るものを優先したいし、費用も最小限に抑えたいので、必要に応じて現地調達もかなり活用します。

あやこ:モノではないですが、現地を深く知りたい旅では、ロコタビなど現地在住の人(ロコ)にガイドをしてもらえるサービスを利用したり、知り合いがいれば連絡をしたり事前準備しますね。
シアトルに行った時は、現地に住んでる人にアテンドしてもらってマイクロソフトのオフィスを見せてもらったり、ワインが好きなメンバーの時は、現地在住のワインに詳しいガイドさんに依頼して、イタリアの王様ワイン「バローロ」の産地を案内してもらいました。
日本では飲めないワインを作っているワイナリーの見学予約をしてもらって、自分では難しいことが叶った最高の1日でした。イタリア語ペラペラの日本人の方で、ワインに詳しい人に、決して高くない金額をだせば出会えるって凄いです。
TAL:お菓子も、荷造りも、予約も。一つひとつはシンプルなのに、ちょっとした準備で旅の満足度が高まったり、体験が深まったりするのが興味深いです。
本日はありがとうございました。