人気急上昇中の登山YouTuberこうたろさんの第2回目のインタビューでは、「こうたろさんが登山YouTuberとしてチャンネル登録者数1万人を超えるまで」に迫ります。
前回のインタビューではYouTubeをはじめて6ヶ月で296人のチャンネル登録者数を得たものの、思うようには数字が伸びずに苦労したお話しをうかがいました。
そこから1万人を超えるまでに、こうたろさんは何をしたのでしょうか?それでは、こうたろさんの登山エピソードの3合目に向けて一緒に登っていきましょう。
テレアポをしながらYouTubeを継続
TAL:まずはじめに教えてください。チャンネル登録者数10,000人を超えた今は、フルタイムでYouTubeに専念されているのですか?
こうたろ:工場勤務で貯めた150万円でYouTubeに参入しましたが、無収入では厳しいので定時で終わるストレスの少ないテレアポをしながらYouTubeを続けています。
TAL:なるほど、なるほど。
秋の涸沢パワーで登録者数が1,000人超
TAL:YouTubeをはじめて6ヶ月で296人の登録者数を得た後は、どんな行動をとったのでしょうか?
2020年の7〜8月ごろ、一番人が集まる北アルプスでファッションチェックをしたら伸びるんじゃないかと思いまして。
しかし直前にバーベキューで足を痛めてしまって。暫く安静で山に行けなくなったので「部屋撮り動画」でアイテム紹介を毎日毎日やっていたんですよ。
その時の夏は北アルプス(涸沢のある)には全然行けずに、怪我が治った頃に涸沢に行きました。
涸沢には全国から可愛い山ガールが来るんですよ。彼女らにインタビューをしてアイテムを紹介していたらプチバズリまして。それでチャンネル登録者数が1,000人を超えました。2020年の10月で、ちょうどYouTubeを初めて1年経った時のことでした。
TAL:怪我の間にくじけずに部屋撮りをしていたところが凄いです
こうたろ;YouTubeは1,000人以下は収益化できないので。とりあえずやるしかないと思ってやっていましたね。こうして、2019年11月、42歳でチャンネル登録者数が1,000人を超えて収益化できました。
YouTubeの収益化条件 ・チャンネル登録者数1,000人超え ・直近1年間の再生時間4000時間以上 ・規約に沿った動画であること |
YouTubeは椅子取りゲーム
TAL:ファッションチェックのような人気企画はどのように生まれたのですか?
こうたろ:YouTubeは椅子取りゲームなんですよ。
TAL:椅子取りゲーム!
こうたろ:例えば、昨年ブレイクしたやっちゃんねるさんは47歳ぐらいかな。その人も派遣社員を繰り返している人で。47歳孤独のルーティーンとか、孤独の一人鍋とかやると、やっぱり共感を呼ぶわけなんですよ。「俺も一緒や」という。これが孤独枠。
ぼっち大学生YouTuberパーカーさんは、ぼっちで大学で飯を食ったりするんです。これがぼっち枠。マスザワ内閣さん。この人はアムウェイを理論的に叩く、アムウェイ叩く枠。
TAL:孤独枠やぼっち枠!
こうたろ:テレビではニッチ過ぎてできないのですが、YouTubeなら5〜10万人ぐらいの視聴者なら椅子取りゲームなんですよ。
それで当時、僕は高速で登山アイテムを紹介しながら下ネタを混ぜるという、誰も座らん席を一生懸命追いかけていまして。
分かっていないからそこを追いかけていたのですが、今やったら、色々な方向にアホほどトライをしてきたから、下ネタ方向に行ったらあかんなというのが分かるようになりましたけど…その辺りで僕は大回りしました。
1番高速なのが、ありちゃんねるさんという女の子のYouTuberがいるんですけど、けっこう可愛らしい子で13本ぐらいで8,000人行っていました。
TAL:こうたろさんは「大回りしている」と気づいてから、どの椅子を目指したのですか?
こうたろ:それまでの登山YouTubeといえば、キレイな動画。大きな機材で4K動画を撮るとか。音楽も外人女性が歌うオシャレな曲が流れたり。その椅子にみんな座ろうとするのですが、どんなにハイクオリティーな動画をとってもこの椅子はもうパンパン。
僕はそれまでに300本以上動画を出していたのですが。色々出した中で、ファッションチェックとアイテムレビューで人気が出ました。意図ぜず名物になったのがぼやき登山です。青春18きっぷで登山に行ったりして、ぼやきながら登る動画です。
ファッションチェックの椅子といったら、アイテムとその機能を知っている必要がありますし、声をかける勇気も要る。それを考えたら誰もやる人がいなくて。
こういうのを週に3〜4回のペースで出していきました。世界観は安定していますね。僕は登山界のバラエティ担当というか。企画は滑る時は滑りますが(笑)
1,000人を超えたのにコロナ襲来
TAL:1,000人を超えてからは上り調子ですか?
こうたろ:そうでもありません。2020年のコロナで、ちょっとでも外出をしたら非国民という雰囲気がただよっていたので。この時は部屋撮りばかりで、その間は伸びませんでしたね。
そんな時期の人気動画が【汗かき必見!】春夏ベースレイヤーどれが一番早く乾くか!?選手権!!(ノース、パタゴニア、モンベル、コロンビア)です。
その後、コロナが緩和された時期2020年の7月ごろ。登山はOKやろ感が出てきたので出動しました。北アルプスでひたすらファッションチェックを撮りまくってたら、月に2,000人伸びたりしました。
この企画は省エネで(笑)5泊6日で5〜6話できて、交通費もペイできて。
YouTubeを続けたいから収益も大事です。
ただねえ、コメント欄で「自然を楽しまずにそんなことして楽しいですか?」という辛辣なコメントをもらうこともあって。僕自身もそう思うことはありますよ。
キレイな夕焼けをゆったりと眺めるかわりに、ギラギラしていて。登山者が見えると「あ、来た!」とファッションチェックに行くわけです。張り込みみたいなもんやからね〜!
TAL:笑。張り込みですか。
こうたろ:それも楽しいんですけど、ゆっくりと山と向き合うという部分では、今はできていないですね。十分にお金を稼いでいたらプライベート登山ができそうですが。
撮れ高に恵まれて7,000人超え
TAL:北アルプスでのファッションチェックでチャンネル登録者数が伸びたのですね。
こうたろ:まず中央アルプスに行ってファッションチェックを撮って。次に槍ヶ岳・双六岳でも同様に撮りまくりました。僕、撮れ高があるんですよ。
TAL:撮れ高?
こうたろ:例えばね、すごい可愛い女性とか。サムネイルはYouTubeの命じゃないですか。このね、槍(槍ヶ岳のこと)とかやったらね。
槍って晴れている時がないんですよ。このサムネイルにしている位置は大体ガスっていて景色が見えないんです。
それなのに、この晴れで、この可愛い女の子の画像を撮れた。撮れるんですよ、僕は!(笑)
TAL:それは確率的にすごそうです(笑)
こうたろ:同じ日にね、夫婦の登山YouTuberの山広さんとJuriさん夫妻に偶然出会うという。
僕ぱっと見たら、あれ、オシャレな人がおるな〜。ファッションチェックお願いしようかなと思ったら山広さんやんか!と。
向こうも動画を見てくれているので、お互い「うわ〜すごい!」ってなってファッションチェックを撮らせてもらったりしました。
こんな風に「撮れ高」に恵まれているんですよ。
で、この方が僕のTシャツ(こうたろさんのオリジナルTシャツ)をデザインしてくれたKei Fujimotoさん。この方もチャンネル登録者2万人ぐらいの登山YouTuberで大阪の人で。偶然出会って撮らせてもらって4.8万回も再生されました。
ほかにもイギリス人の方が脚絆を履いて、一昔前の軍人さんみたいな格好をして登山をしていたり。歴史が好きだからだそうです。
TAL:山には面白い方がいっぱいいらっしゃって、次々と遭遇するとは。ほんとうに「撮れ高」がありますね!
こうたろ:そうそう。人に恵まれていますよね。ここまでは2020年の8〜10月頃のことです。こうしてコツコツとやっていくと伸びましたね。北アルプスの企画では6,000〜7,000人行きました。
11〜12月は1万人を超えられず。やはりアルプスのパワーはすごいですね。大阪の低山よりも観る人の範囲が広いじゃないですか。東京からも来るし、九州・中国地方など全国から来るから。強いコンテンツです。
結局、2020年中には1万人に達しませんでした。9,000人台。でも本音は3,000人ぐらいで終わるのかと思ってたから御の字です。
実践レビュー企画で1万人を達成!
TAL:1万人超えの最後の一手は何でしたか?
こうたろ:実践レビュー企画で登録者が伸びました。機能が同じウエアを3ブランド持っていき、1日で実践レビューをする企画です。
例えば、同じ機能のノースフェイス・モンベル・パタゴニアを持っていき、1枚着て登って感想を言って降りる。すぐに次のウエアに着替えて、以下同様。1日で3回同じ山の同じコースを登るんです。
「これは風には強いけれども汗抜けは弱いよね〜」とかコメントをしながら。この企画は、降りるのも歩きだとやっぱりね、足が痛いです。生駒山はケーブルカーがあるので、この企画をする時は生駒一択ですね。
これで人気だったのが「コスパ最高のレインウェア企画。パタゴニアとモンベルのレインウェアを、雨の日に感触や汗抜けについて語りながら登る。これも2回登って撮りました。
こういうことをしていると、チャンネル登録者数1万人にいきました。2021年1月の12日の昼頃でした。
TAL:おおお。おめでとうございます!
チャンネル登録者数1万人超えとその後
TAL:150万円を元手にYouTubeを始めたわけですが、今は十分生活ができるようになってきましたか?
こうたろ:まだまだです。今もバイトをしているんですよ。YouTubeは12月・3月・6月がボーナスタイムなので、12月はそれなりに収益がありましたけれども。
TAL:これからどんな活動をしていきたいですか?
こうたろ:まずはグッズ販売をしようと、Tシャツやステッカーを作りました。「こうたろ山荘」で販売しています。
YouTubeははあと何年かが勝負やから、その間に影響力をつけて、グッズ販売・オンラインサロン・登山ツアーなど、何か商売をするのがこれからの流れかなと。広告収益だけだとGoogleの仕様変更で生活が左右されますし。
TAL:ガレージブランドも作りますか?
こうたろ:サコッシュ(登山で斜めがけにして持ち歩くバッグ)とか水筒はもう飽和状態です。逆にウエアはかなり技術が要るわけで絶対に無理やから。
手袋を挟むクリップなど、便利グッズを考えていきたいなと思っています。登山をしながら不便やなと思っていることを解決するアイテム、このあたりを模索中ですね。
TAL:グッズの企画は楽しそうです。
こうたろ:なんしか、どれも初めてのことなのですっごい脳みそパンパンですが、常に新しいことをやっていきたいです!
TAL:楽しんでチャレンジされているところが眩しかったです。今日はチャンネル登録者数1万人を超えるまでという貴重な体験を教えていただきありがとうございました。
こうたろさんインタビュー3回目「登山YouTuberこうたろさんの僕がベースレイヤーにハマったわけ」に続く
チャンネル登録者数1.22万人 (2021年4月現在)
オリジナルグッズサイト
こうたろ山荘 https://kotarokotaro.base.shop/
登山歴9年 参考歴は300回ほどの中級登山者です。
毎年北アルプスにソロテント泊縦走に行ってます!去年はジャンダルムを制覇!
ボルダリングも趣味としてボルダリング歴6年 ジム3級 外岩最高グレード1級 年数の割には成長しません(笑)
登山やキャンプ、ボルダリングなどの「人」に注目した動画をお送りするチャンネルです。
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