人気急上昇中の登山YouTuberこうたろさんへの第4回目のインタビューでは、こうたろさんの人気企画をTALが再現。
インタビューにお気に入りのアイテムを持ってきてほしいと頼んだところ、全27点もザックでかついで持ってきてくてました!何というサービス精神でしょう。
というわけで。今回は、TALがこうたろさんを逆ファッションチェック!
それでは、思わずアウトドアショップに行ってしまいそうになるアイテムが続々と登場する4合目を一緒に楽しんでいきましょう。
登山グッズはついつい財布の紐が緩む
TAL:たくさんウエアを持ってきてくださったのですね。
こうたろ:登山グッズは比較したいと思って、ついつい財布の紐が緩んでしまいますね。結果、モノにお金を使いすぎて、青春18きっぷで登山に行くという(笑)
TAL:青春18きっぷの企画は人気動画ですね!
【貧乏登山家が大阪から槍ヶ岳山頂まで青春18切符で5180円で行ったら撮れ高ありすぎてビビった!】
TAL:何点ぐらいあるのでしょうか?
こうたろ:30点以上ですね。ドライレイヤー 6点、ベースレイヤー 23点、その他にはジャケット・フリースジャケット・ザックなどですね。
TAL:それは凄い量ですね。こうたろさんのファッションチェック「行ってみよ!」
超軽量パタゴニア・マイクロパフフーディ

TAL:緑の上着、カッコいいです!
こうたろ:これ、すごいんですよ。パタゴニアが10年かけて開発した素材で作ったジャケット「マイクロパフフーディ」といいます。中に入っているのはプルマフィル・インサレーションという素材です。
TAL:見た目がダウンジャケットっぽいですが、化繊なのですね。
こうたろ:一般的には、化繊とダウンには違いがあって。ダウンは暖かくて・軽くて・コンパクトになり、化繊はさほど暖かくなくて・ゴワゴワして・かさばって重いと言われています。
でもマイクロパフフーディはそれなりに暖かくてコンパクトになって軽い。ダウン並みに軽い点が発明なんですよ。
初対面で、ぱっと持った時に衝撃が走りました。これで化繊か!とびっくり。値段はかなり高くて、プロパーで買うと4万円ぐらいします。
例えば、夏のアルプスに行くと、6泊7日が全日雨ということもあります。ダウンは水に弱いので水に濡れたり湿気るとダウンがくしゃっと縮んでしまう。
でもこの化繊は超軽量で耐水性があるので夏のアルプスには必ずこれを持って行きます。化繊は比較的重くなりがちですが、マイクロパフフーディは軽いので、これ一択ですね。
ダウンは天然素材だから技術の発展にも限界がありますが、化繊は技術がどんどん上がっていくので伸びしろがありますね。

1番大好き、パタゴニア・R2ジャケット

TAL:この青いフリースジャケットはこうたろさんのトレードマークですね。
こうたろ:これはパタゴニア・R2ジャケットです。僕が持っている全てのアイテムの中で一番好きですね。ベスト2枚・長袖2枚の合計4枚持っています。
フワフワの手触りが大好きで。このフワフワを通じて汗が抜けるんですよ。暖かくて汗抜けが良くて。首周りがしっかりしているから、ネックゲイターをしているかどうかを忘れるほどです。

R2は真冬の低山か、夏場の高山の縦走で使っています。春や秋の低山は暑すぎますね。
TAL:パタゴニアのサイトでは「格別な通気性、速乾性、寒い天候下で保温性を発揮する究極の中間着」と記述があります。これは暖かそうですね。
こうたろ:僕は寒がりなので、5〜6泊なら1番温かい格好でいきますね。上着は暑ければ脱げばいいので。だからR2はよく着ています。
GOLITE GORE-TEXマウンテンパーカー

TAL:この黒い上着は?
こうたろ:これは街でも着ていて、使いこんでいます。2014年ごろに幕を閉じたブランドGOLITE GORE-TEXマウンテンパーカーです。
ウルトラライトという、荷物をなるべく軽くする登山のスタイルがあって。そんなウルトラライトの走りのブランドがGOLITEです。
一般的なテント泊では15キロほどの荷物を持たなければいけませんが、僕は色々なアイテムを持っているので、ウルトラライトができるのではないかと思って、ある時6〜7キロぐらいの荷物で登山に出かけました。
やってみるとめっちゃ軽かったですね。テント泊では15キロ以上の荷物が当たり前の価値観でしたが、世間はウルトラライト。実行してみたらめちゃくちゃ気持ちよかったです。スピードは上がるし、遠くまで行けるし。
みんなウルトラライトに興味があるんですよ。大手のお店に売ってない個人ブランド、マニアックなブランドをガレージブランドといいます。
そんな個人のお店にはウルトラライトのアイテムがたくさん置いてあります。若い子は最近の登山の流行りの流れでガレージブランドでモノを買っていますね。
だから僕は狙ってウルトラライト用品を揃えて六甲縦走をしてみた感想を動画で投稿してみたんです。
軽いは正義ですがデメリットもありました。行動中はいいのですが、休憩中はやはり机がほしいなとか、椅子がほしいなと思う点は不便ですね。テントで、良い夕日を見ながらゴツゴツした石に座ってということもありますから。
その後、僕はウルトラメニースタイルと名付けた、山に軽いアイテムをたくさん持っていくスタイルを始めました。より多く、より楽しくがコンセプトです。3〜4年前から僕が独自に打ち出しているスタイルなのですが、全然広まらないです(笑)
動いている時は一生懸命進んで、泊まっている時はお酒を飲んだりします。お酒を入れるスキットル(アルコール濃度の高い蒸留酒を入れる携帯用の小型水筒)の素材はステンレスが一般的ですが、軽さのためにチタンを選んで持っていくんです。
TAL:ウルトラメニー、より多く、より楽しく。コンセプトが素敵ですね!
NORD KAMMのザック60L

TAL:それにしてもこのバッグの収納力は半端ないですね。30点も入っていたとは。
こうたろ:これは軽いですよ。66リットルサイズです。大型ザックはショルダーや腰部分の厚みとフィット感が大切です。このバッグには柔らかさも分厚さもあるので肩腰が楽ですね。

そしてジッパーがたくさんあったり、多機能です。一気室(内部の部屋が一つ)の構造なのですが、内部に区切りがあったり横にジッパーがあるので、底にある物も取り出しやすいのが便利ですよ。リスクをあげるとしたら構造が複雑だから、例えばジッパーが壊れる確率が高いことですね。
前に使っていたザックは重くいけれど雨に強く、構造がシンプルなマックパックのザックでした。ショルダーの厚みが薄かったのでめちゃくちゃ肩が痛くなっていました。一気室(内部の部屋が1つの構造)なので、下のモノが取り出しにくかったです。良いところは構造がシンプルだから壊れにくいところですね。
TAL:「ザックはショルダーや腰部分の厚みやフィット感が大切」なことがよく分かりました!

圧倒的な個性を持つ持参アイテムたち

TAL:この中から個性的なものをいくつか紹介してください。
登竜門的な化繊、モンベル・ジオライン

こうたろ:これはモンベルのジオラインです。化繊で安くておすすめの1枚。春秋用の登竜門的なベースレイヤーです。繊維に銀イオンを発生する成分が練り込まれていて、臭いの原因となる細菌を時間とともに減少させます。
なぜかモンベルの化繊は丈が短くて。ウールは丈が長いんですけどね。化繊は行動着と位置づけているからかな。

速乾選手権1位キャプリーン・ライトウエイト

夏に来ていくなら、パタゴニア・キャプリーンライトウエイトでしょう。夏最強の理由は、ダントツの乾きやすさです。
YouTubeで「どれが最初に乾くか選手権」の企画とした時に1位だった化繊ベースレイヤーです。銀イオン入りなので臭わない点も良いですよ。だから大人気アイテムです。僕は夏の北アルプスなどで使っています。


「虫嫌い」が泣いて喜ぶ、スコーロン

フォックスファイヤーのスコーロン。これはね凄いです。虫除けなんですよ。実際、僕はキャンプに行くと20箇所ぐらい刺されるタイプなのですが、虫がとまったら逃げていきます。
アース製薬と共同開発していて、虫が嫌がる成分が入っているからなんですね。パーカータイプや帽子もあるので頭部や首も守れますよ。洗濯してもそこまで薬品が取れないと感じています。
アウトドアや公園に散歩に行く時にも使えるので、夏の終わりかけのセール時期には連日スコーロン買わなと思っているほどです。

めっちゃ涼しい、オムニフリーズゼロ

すごい真夏の低山に暑がりが行くならコロンビアのオムニフリーズゼロもいいですよ。
夏の登山のベースレイヤーの売りは「薄くて早く乾く」が主流ですが、これは違います。僕のは何度もの洗濯で取れてしまったのですが、水色の模様が内側についていて。これは汗に反応して体を冷やす効果があります。本当に着ていたらめっちゃ涼しいんですよ。
真夏の低山にはもってこいです。

極寒でも暖かいキャプリーン・ミッドウエイト
本当に寒い時はパタゴニアキャプリーンのミッドウエイト。
これは肌と接地する面にある「生地の盛り上がってる部分」が暖かさを確保します。凹んだ部分は汗を逃し、通気性も確保します。実際に着てみるとめちゃくちゃ暖かかったですね。
欠点は丈が短いことですが、低山の日帰り登山なら問題ありません。僕は雪山をやらないのでこれで十分ですね。もし雪山に行くならもっと丈の長いものがオススメです。

輻射熱で冬用も安心コロンビアのオムニヒート

これは真冬用ですね。コロンビアの素材は自社開発の独自素材なのですが、その一つオムニヒート。キラキラの素材が熱を輻射させるので、体と素材の間で熱が行き来するから温かいです。肌触りはサラサラしていて、なぜか蒸れません。コロンビアのダウンの裏側にもオムニヒートが付いているものがあります。

余裕があればドライレイヤー

TAL:ちなみに、この網目のウエアは何ですか?
こうたろ:これはドライレイヤーです。これを着ていると冬に汗冷えしにくいです。網目が汗をわっと吸って、外側に着ているベースレイヤーに移してくれます。肌がすぐに乾くので汗冷えしにくくなります。スノーボードでも汗を書くから活躍しますよ。
逆に、真夏の低山では暑すぎて着れないです。また汗冷えしたほうがひんやりとして心地よいので、着ないです。
2大ドライレイヤーというのがあって。1つ目はTHE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)S/S 100DRY CREW ショートスリーブハンドレッドドライクルー NU61701。もう一つはミレーのあみあみ(通称)[[ミレー] アウトドア アンダーウェア MIV01248 メンズ]です。僕は、ミレーのあみあみが1番汗冷えしないと思います。



我こそは、ドラクエ系の登山家
TAL:いやあ、すごい登山グッズの数と愛ですね!
こうたろ:僕はドラクエ系の登山家なんです。
TAL:ド、ドラクエ系とはどういうことですか?
こうたろ:これね、Youtube動画のファッションチェックで出会ったおっちゃんが、めちゃくちゃ面白いことを言ってまして。山を楽しむ人の系統があるって。

こうたろ:まずは戦士系。コースタイムなど自分の限界に限りなくチャレンジして、そんな自分がカッコいいいしキモチイイという人。ストイックな人ですね。
次にドラクエ系。装備を楽しむ人です。今日は鋼の剣だ、今日は水の羽衣みたいなレインウエアだとか。僕はまさにドラクエ系です。ベースレイヤーはこれを着て、ストックはこれを持ってみたいな装備を楽しむ人ですね。
景色を楽しんだり花を愛でたりするのが旅人系です。旅人系の中に、カメラ系、Youtube系がある。絵を描いたりも。僕はここでもあります。
吟遊詩人系は妄想します。景色を見ながら「左は晴れていて、右は曇っている。これは梅雨の境目なんですよ。」って人に語りかけて自己満足するみたいな。
山食系もありますね。山で美味しいご飯を作る。インスタントではなくガチで飯盒炊飯したり。マンガ「山と食欲と私」みたいな。
それから沢登り系。色々なアイテムを持ってくるんですよ、縄とか。北岳を降りた時に、沢登り系の人に遭遇したので、沢登りの楽しさについて聞いてみました。すると「沢は焚火をたけるんですよ。川の近くなので大丈夫なんです。それが本当に良くって。」だそう。もちろん沢を登るのも面白いみたいです。
TAL:めちゃくちゃ面白いですね。こうたろさんはドラクエ系。
こうたろ:どれか一つを選べと言われたらドラクエ系ですね。
TAL:この登山グッズへの愛、持っているアイテムの量。まさにトップドラクエ系登山家ですね!今日はありがとうございました。